母親一年生による反面教師ブログ

0歳児育児中の管理人の後悔を公開してこれから妊娠したい方・出産を迎える方への反面教師になるブログ

マタニティーマークについて思う事

こんにちは、ダラリーヌです。

 

私は昔から電車内でマタニティーマークを付けた人を見かけると、自分が座っていれば譲ったり、立っていてもブレーキなどでぶつからないように力を入れて立ったり、

他の気付いていない乗客がぶつからないように勝手にボディーガードのつもりになったり(笑)、

自分の前の座席が空いたら座ってもらったりしていました。

誰に強制されたことではなく、自然と自分の内からでた行動です。

小さい頃から電車通学していたので、そういったことが自然と身についたのだと思います。

 

マタニティーマークを付けている人に対しては「元気な赤ちゃんを産んでほしいな~」と思うくらいで、特にそれ以外の感情はありませんでした。

 

 

あれから約20年。

娘を妊娠した時に、ついに私もマタニティーマークを付けました。

 

 

社会人になってから、世の中にはマタニティーマークについて様々な意見があることを知りました。

主に、それまで私には思いつきもしなかったネガティブな意見です。

 

「配慮しろと言われている気になってしまう」

「本当に妊娠しているのか疑問に思う」

「妊娠したことをひけらかしている感じがして不快」

「妊婦だからマークを付けていれば何でも優先されるべきと思っているのではないか」

 

上記は、私が仕事で実際に一般のお客さんからいただいたご意見です。

(私は公共交通機関に関係する仕事をしています。)

マタニティーマークを配布することに対しての、はっきりそうとは言わないもののほぼ「反対意見」でした。

私にはある意味目からうろこでした。

だって、電車内で偶然居合わせた赤の他人に対してそこまで考えたことがなかったからです。

そう思う人もいるんだなぁ…と、妊娠する前の私はぼんやり思いました。

 

 

ある日私のカバンについたマタニティーマークを見た職場の先輩が、体験談を語ってくれました。

「私が一人目を妊娠してた頃、電車内で知らないおばさんが急にマークを掴んできて

『こんなものこれ見よがしにつけて感じ悪い。この電車には不妊の人だって乗ってるかもしれないのよ』って言われたんだよ。

でもさ、私太ってるからマークつけてないと、万が一倒れた時に救急隊の人に妊婦って絶対気付いてもらえなかったと思うんだよね」

 

私にはとても衝撃的でした。

マタニティーマークに対してどう思うかは自由ですが、それをわざわざ付けている人にぶつけてくる人もいるのかと。

ちょっとネットで検索してみると、おばさん同様の意見が散見されました。

中にはご自分が不妊治療をしていて、もし子供を授かっても絶対にマークをつけないという方の意見もありました。

理由は、不妊治療中にマークを付けている人を見かけるととても嫌な気持ちになるから、同じ事をしたくないから。

 

人が嫌がる事をしない、それは人と関わって生きていく上で当然だと思います。

でも、だからといって何にでも配慮するのは難しいのではないでしょうか?

 

マタニティマーク不妊治療中の方を不快にしてしまうかもしれないから付けない。

なら、お腹が大きくなって目立ってきたらそれを見て不快に思う人がいるから外出しない、 のが正しいのでしょうか?

出産後は、赤ちゃんを見て辛い思いをする人がいるかもしれないから家に引きこもる?

赤ちゃんが成長して歩けるようになったら、幼児を見て悲しい気持ちになる人がいるかもしれないから公園にも行けない?

 

配慮の究極は、外に出ない。になってしまいませんか…?

配慮しすぎると何もできなくなってしまいませんか…?

 

不妊治療中の方を傷つける意図はありません。

これを読んで嫌な気持ちにさせてしまったら申し訳ありません。)

 

少し話が逸れましたが、私は「マタニティーマークがやり玉に挙がっている」と感じます。

先輩はおばさん事件以降、マークを隠したそうです。

その状態で電車に乗っていたら、大きいお腹を見て席を譲ってくれた方が何人もいたそうです。

マークを隠してからは、明らかに妊婦と分かる状態でも誰にも何も言われなかったとのこと。

ということは、やはり妊娠そのものではなく「マタニティーマーク」が反感を買っているのだと思います。

 

では何故そうなったのか。

それには一部のマナーの悪い人が影響していると思います。

 

私が高校生の頃、いつものように電車通学をしていると、いつも同じ駅から同じ電車に乗る女性がいました。

その人のカバンにはマタニティーマークがついていました。

たまにそれに気付いた人が席を譲っていました。

その女性は、私が高校を卒業するまでずっとマタニティーマークをつけていましたが、一度もお腹が大きくなったのを見たことはありませんでした。

 

またある時には、マタニティーマークを付けた大きいお腹の女性が途中駅から乗ってきて座って寝ている人の前にスッと立ち、その人にマークが見えるようにカバンを持ち直して足を蹴りました。

ビクッとして起きたその人は女性のマークを見て席を譲りましたが、女性はお礼もせずに「当然でしょ」と言わんばかりの態度で座りました。

 

毎日毎日、何年間も電車に乗っているとこういう光景には何度か出くわしました。

こういったマナーや常識に欠ける一部の人のせいで、マタニティーマークが本来の意味を無くし、反感を買う対象になってしまったのだと思います。

 

私が実際にお客さんから頂いた意見も、こうした人たちに運悪く出くわしてしまったからこその意見ではないかと思います。

 

でも、ですよ。

 

例えば「本当は妊娠していないのにマークを付けて席を譲ってもらっている人」。

確かにずるいです。人の善意をなんだと思っているのかと。

毎日同じ電車に乗れる面の皮の厚さには逆に感心すらします。

でも、それだけなんですよね。

これが「わざわざお金を払って取った指定席に座っていたら妊婦が来て席を譲れと言われた」なら話は別ですが、「妊婦を装った人に善意で席を譲った」だけなら、特に損したわけでもないし腹を立てることもないと思うんですよね。

だって、その人が本当に妊娠していないかどうかなんてその人にしか分からないんですから。私が高校生の時に見かけたあの女性は、もしかしたら本当にずっと妊娠していたのかも知れないですし。色々な事情があって、お腹が大きくなるまでに至らなかっただけかも知れないですし。

そして、その女性が3年間席を譲ってもらうのを傍目から見ていた私は、別にそれにより自分が損したわけでもありませんし。

「良心が痛まないのかなーすごいなー」くらいには思いましたが、だからといって「マタニティーマークは無くした方がいい!」とか、「マタニティーマークを付けている人はけしからん!」とはならなかったです。

 

もう一つの例の女性は、わざわざ座っている人の足を蹴るなんてとんでもないと思います。

まさに、俗にいう「妊婦様」だったのでしょう。何でも許されると思っていたのかもしれません。

もし私が蹴られた人だったら、おそらくその一瞬はムカついたでしょう。

「おいおい、蹴らなくてもいいでしょ。譲ってくださいって言えば済む話でしょう」と思ったでしょう。

でも「これだから妊婦は!」とは思わなかったでしょう。

だって、とんでもないのは「その人」ですから。他の妊婦全員がそうだということではないですから。たまたまその人が妊娠中だっただけで、もしかしたらその人は大荷物を持っている時にも同じことができる人かもしれないです。

 

一部のマナーがなっていない人のせいで、その他大勢のマタニティーマークを付けた普通の人が肩身の狭い思いをするのは違うと思います。

 

というわけで私は妊娠初期からマークを付けました。

 

席を譲ってほしいからではありません。

万が一車内で倒れたり、滅多に起こりえませんが列車事故かなんかで意識不明のまま救出されるようなことがあれば、私自身よりもお腹の赤ちゃんを最優先にしてほしいという思いからです。

また、つわりのせいで我慢できずえづいてしまうことが何度かあったので、冬だったこともあり「ノロじゃないです!移るものじゃないので安心してください!」という意味も込めていました。(周りに意図が伝わったかは謎ですが・・・(^^;)

 

「配慮しろと言われている気になってしまう」という意見については、心の中では「そんなつもりはありません」と思っていてもどうすることもできませんでした。

電車に乗るなり「私はマタニティーマークを付けていますが、皆さんどうぞお気になさらず!」と宣言するわけにもいかなかったですし・・・。

 

この意見って、「優しい人」だからこそのものだと思うんですよね。

自分本位で傍若無人な人だったら周りに妊婦がいようとお年寄りがいようと関係なく、何も思わずにいられると思うんです。

「困っている人には手を差し伸べたいな」と思っているけれど、今は自分も疲れていて余裕がない、そういう時にマタニティーマークを見つけると無言で責められているように感じてしまう。そんな気がします。

妊婦からすると、そんな風に思わせてしまっていたら申し訳なかったです。

 

 

産休に入るまでずっとマークを付けていましたが、何人もの方が席を譲ってくださったり降りる時に道を作ってくださったりしました。

そのたび心から感謝しました。とても温かい気持ちになりました。

そして、受けた恩を、別の妊婦さんに優しくすることで社会に返していきたいと思いました。

 

ネガティブな意見もあるマタニティーマークですが、マークを付けることがただ緊急時のためだけのものではなく、人と人との善意の交流を促すものであってほしいと思います。